タイニーハウス、キャンピングトレーラーの法的扱い

タイニーハウスの運転、設置、保持には様々な法律を知っておかなくてはなりません。

関係法令を一通り掲載しておこうとおもいます。

車として登録するには陸運局で車としての検査・登録をしなくてはなりませんが、その際の根拠となるのが、車両法です。

そしてその車を使用し公道を運行する際に係るのは道路交通法です。

その車を一時的に駐車または停車するのは道路交通法ですが、一つの場所に定着させて移動させない場合は建築基準法による建築物としての取り扱いになります。

他にはタイニーハウスを使用しホテルにする、飲食業をするなどの際はその関係する法律に基づき計画を立てなくてはなりませんがこの章では基礎的な3つの法令について記しておこうと思います。

車両法

道路運送車両法

第一章 

第一条  この法律は、道路運送車両に関し、所有権についての公証等を行い、並びに安全性の確保及び公害の防止その他の環境の保全並びに整備についての技術の向上を図り、併せて自動車の整備事業の健全な発達に資することにより、公共の福祉を増進することを目的とする。

 

陸運局の自動車技術安全部技術課という部署にて組立申請書類を提出し、様々な審査を通ったのち各陸運支局にて車検を受け、車として登録されます。

審査に必要な書類は構造計算書、部材の組成や、性能データ、図面各種、何十枚では出来ない根気と知識のいる作業です。

この登録により組立車として、小さいながらも自動車メーカーになりました。

私どものトレーラーのシリアル番号一台目は

T H J B0001から始まりました。

道路交通法

道路交通法

けん引免許

車両総重量が750kgを超える車(重被けん引車)をけん引する場合。(ただし故障車をクレーンやロープでけん引する場合は不要)

 

満18歳以上でかつ、大型免許、普通免許、大型特殊免許のいずれかを取得していること

 

牽引免許については牽引免許の章をご覧ください。

 

私どものトレーラーは750キロ以下のサイズも製作していますので、その際はけん引免許はいりませんが、道路をけん引して走るという意味では出来る限り牽引免許を取得していただきたいと勧めています。

 

建築基準法

建築基準法とは何でしょう

 

建築基準法(昭和25年5月24日法律第201号)は、国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低基準を定めた、日本の法律である。

 

建築基準法で定める建築物とは

第二条  

一  建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。

 

 

上記を踏まえ、バス、キャンピングカー及びトレーラーハウス等の車両の建築基準法の取り扱いについて、国土交通省の解釈が通達として各県、市などに出されています。

国交省住宅局・住指170号通達
設省住指発第170号 平成9年3月31日

各都道府県建築主務部長 殿

建設省住宅局建築指導課長

トレーラーハウスの建築基準法上の取扱いについて
近年、キャンプ場において、トレーラーハウス(車輪を有する移動型住宅で、原動機を備えず牽引車により牽引されるものをいう。以下同じ。)を利用する例が増加しており、その建築基準法上の取扱いについて疑義を生じている向きもあるため、今般、その取扱いを下記のとおりとすることとしたので遺憾のないよう取り扱われたい。
なお、貴管下特定行政庁に対しても、この旨周知方お願いする。

【記】

トレーラーハウスのうち、規模(床面積、高さ、階数等)、形態、設置状況(給排水、ガス、電気の供給又は冷暖房設備、電話等の設置が固定された配管・配線によるものかどうか、移動の支障となる階段、ポーチ、ベランダ等が設けられているかどうかなど)等から判断して、随時かつ任意に移動できるものは、建築基準法第2条第1号の規定する建築物には該当しないものとして取り扱うこと。

法第2条第号
【内容】

バス、キャンピングカー及びトレーラーハウス等の車両(以下「トレーラーハウス等」という。)を用いて住宅・事務所・店舗等として使用するもののうち、以下のいずれかの観点により、土地への定着性が確認できるものについては、法第2条第1号に規定する建築物として取り扱う。

◆建築物として取り扱う例
  1. トレーラーハウス等が随時かつ任意に移動することに支障のある階段、ポーチ、ベランダ、   柵等があるもの。
  2. 給排水、ガス、電気、電話、冷暖房等の為の設備配線や配管等をトレーラーハウス等に接続する   方式が、簡易な着脱式(工具を要さずに取り外すことが可能な方式)でないもの。
  3. その他、規模(床面積、高さ、階数等)、形態、設置状況等から、随時かつ任意に移動できるもの   とは認められないもの。

なお、設置時点では建築物に該当しない場合であっても、その後の改造等を通して土地への定着性が認められるようになった場合については、その時点から当該工作物を建築物として取り扱うことが適切である。

【解説】

「随時かつ任意に移動できるとは認められないもの」の該当例は、以下の通りである。

◆「随時かつ任意に移動できるとは認められないもの」の該当例
  1. 車輪が取り外されているもの又は車輪は取り付けてあるがパンクしているなど走行するために十分な状態に車輪が保守されていないもの。
  2. 上部構造が車輪以外のものによって地盤上に支持されていて、その支持構造体が容易に取り外すことができないもの(支持構造体を取り外すためにはその一部を用具を使用しなければ取り外しができない場合等)。
  3. トレーラーハウス等の敷地内に、トレーラーハウス等を移動するための通路(トレーラーハウス等を支障なく移動することが可能な構造〔勾配、幅員、路盤等〕を有し、設置場所から公道に至るまで連続しているもの)がないもの。
【参考】
  • トレーラーハウスに関する建築基準法の取り扱いについて(昭和62年12月01日住指発第419号)
  • トレーラーハウスの建築基準法上の取り扱いについて(平成09年03月31日住指発第170号)

関連通達
昭和62年12月1日  住指発第419号
平成9年3月31日  住指発第170号

* 日本建築行政会議(旧 日本建築主事会議)

 

上記のことから私どものタイニーハウス、キャンピングトレーラーは車両法で関係する車としても登録できますし(接道する道路に自由に何時でも出入りすることが出来、ナンバーや、牽引する装置、車を所持すること)、建築基準法として確認申請の許可を取得する建築物として登録することも出来ます。(建築物として確認申請の基準に沿う構造が必要ですから、計画段階よりそれを踏まえて製作する必要があります)(建築基準法として登録する際は、タイヤを外し基礎の上に緊結しなくてはなりません)