杉の乾燥の話

2016年に入りました。でも早いもので一カ月が過ぎようとしています。

昨年から製作しているBaske-Tもまだ走りだす事が出来ないのですが、ありがたいことにオーダーは来年分まで頂いていて、製作と共にその準備を始めています。

 

私たちが製作するBask e - Tは杉の無垢材を使っていますが、その杉の中でも「赤身」という中心に近い部分を主に使用しています。

 

材木は山で伐り倒されて、市場に運ばれてきます、そこから製材所で板や柱に切り分けられます。

その後、材木は切り分けた状態で乾燥をさせます。

材木というのは、地面から生えた樹木の時の水分量が150%とされており、室内で使用しているとおよそ15%程度まで乾燥していきます。

乾燥により材木は想像できないほど変形をします。

収縮率は12%にもなると言われていますので、そのまま未乾燥で材木を使うと、ひびや、割れ、ねじれや反り、板と板の隙間などが出来てきます。

そのうえ、カビや虫の害にも遭いやすくなるため、乾燥工程は材木にとって必須の工程です。

 

乾燥方法にもいろいろな技術が使われています。

現在は、機械乾燥がほとんどで、ガスや、油、木材などを燃やしたり、電気で熱して乾燥する方法が主になっています。

以前は、製材した材木に隙間をあけて積み上げ、何カ月もじっくり乾燥する方法が主でしたが、在庫をたくさん抱えるこの方法は敬遠されるようになっていきました。

現在でも古くから伝わる乾燥方法を続けていたり、新たに見直して復活させている職人さんもいます。

山に生えている木を切り倒した状態で、葉が枯れ落ちるまで葉に水分を吸い取らせる「葉枯らし」、伊勢神宮では現在も続けられている池に浸けた状態で乾燥させる「水中貯木(水中乾燥)」など、昔の人々の知恵には頭が下がります。

 

私たちの使う杉の赤身も天然乾燥で数カ月乾燥させてからようやく材料になります。

それでも、木は常に動きます。湿度があれば伸びるし、乾燥すれば収縮しますので、適材適所をこころがけ使い方に気を付けなくては完成後に不具合が生じます。

そして、材木には切り時があり今年使用する材木はこの2月中には製材しておきます。

先日、山国町にある材木市場で板用の杉の丸太を購入しました。

丸太には皮が付いていますが、その皮と木の身の間に虫がつくのを防ぐために、皮をむく作業をしました。

この後、製材しスライスした状態で数カ月間乾燥させます。